見方の説明ビデオです。マイクロ文字の寸法を計ったり、隠し文字も探して遊んでください。

2004年(平成16年)から使われている千円券です。E号券と呼ばれています。3年後の2024年には北里柴三郎さんに代わり、野口英世さんはお役御免だそうです。その頃には、電子マネーがもっと普及して、利用頻度はかなり下がるんじゃないでしょうか。

このお札の大きさは、横150mm、縦76mmです。幅を24000ピクセルで撮影しました。単純に割り算して、1ピクセル当たり、0.00625mm=6.25μm、っていっても全く実感が沸きませんね。日本人の髪の毛は欧米人よりも少し太いらしく、平均0.08mmらしいので、これよりも1/10以上細かい再現ができる、といえば少しは実感できますか。ちなみにこの画像はピクセル2倍(画面の2ピクセルで、元画像の1ピクセルが表示される)まで拡大できます。

インターフェースには、個数を数える「計数」、長さを計る「距離」、面積と周長を計算できる「面積と周長」ボタンを付けました。画像で見える線の中でもっとも細い実線の幅を図ってみると、だいたい0.6mm程度ですので、髪の毛よりも細い印刷であることがわかります。かすれているような部分ならもっと細いですから、まさに驚異の技術です。

北海道にいる知人にこれを見せたらこんな話が返ってきました。

「美大卒業時の就職活動で、大蔵省印刷局でお札の元版を彫る仕事の面接を受けました。最終面接直前で進学に方向転換しました。受けていれば人生だいぶ違ってましたね。

当時は背景のスピログラフ模様はエッチング、人物は彫刻刀(ビュラン)による手彫りで原版を作っていました。印刷工程では、スピラグラフはオフセット印刷になります。拡大していくと線質の違いがよく分かりますね。

大きなスピログラフの機械があって、歯車の組み合わせを少し変えては製版していました。ギアの組み合わせは何億通りもあるので、延々やってると話してました。」

人に歴史あり。大蔵省(現・財務省)に手業ありってところでしょうか。

表の中央上に大きな曲率で書かれた青い「NIPPONGINKONIPPONGINKONIPPONGINKO・・・」は肉眼でやっと見えるか見えないか、といった細かさですが、この下に、肉眼では線にしかみえない濃い緑色にも、同じ文字列が彫られています。この文字の高さは、0.2mm弱です。

画面下の「 ニ・ホ・ンを探す」ボタンで、隠し文字を拡大して探し出していきます。裏側(左上ロゴ下のボタンで切り替わります)にもありますので、こちらもぜひご覧ください。

さて最後になりましたが、「こんなのwebで公開して大丈夫なの?」というご用向きもありましょうから、一応、財務省に電話をして尋ねてみたのです。「印刷は絶対駄目ですが、web上のデータであれば問題ありません」とのご回答。法律が変わったり、担当者による差異である、などという場合は、ぜひお知らせください。

ちなみに、スキャナやコピーマシンでのお札のコピーはできなくなっていますし、フォトショップでも画像を開こうとすると「このアプリケーションでは、紙幣イメージの編集はサポートされていません。」とアラートが表示されて、開けません。この件については、こちらをご参照ください。

ブラウザの全画面で見る場合は、こちらをクリックしてください。新しいタブで開きます。