パノラマミラー(映蔵WIDE-70)を、APS-Cサイズ一眼レフで使う方法を整理します。
レンズとの組み合わせが難しいところで、実をいうと標準セットになっている安価な標準ズームとの組み合わせがもっともよいようです。が、私、所有しておりません・・。先日、売っぱらっちゃった・・・あーあ。後悔先に立たずとはこのことで。
主要なポイントは下記。
- 適切な焦点距離は28~35ミリ程度(35ミリ換算はこの1.5倍)。
- 撮影距離(ピント位置)は、20~25センチ程度。
- 口径は52ミリ。レンズに応じてステップダウン(アップ)リングが必要。
マクロレンズが必要とはよく言われますが、望遠系では画角が不足して円形の画像を撮影できません。広角系のマクロレンズが必須です。
標準セットになっている安価な標準ズームは、そこそこ広角であり、意外にマクロ撮影に強い性質があります(パノラマミラーでは極端なマクロ性能は必要ありません)ので最適だと思います。
1.基本的な構成を知る
映蔵WIDE-70の詳細はこちら。
基本的なセット内容は、パノラマミラーと中間リング(延長リング/エクステンションチューブ)の組み合わせになっているようです。なぜ、中間リングが必要か? は、後でわかります。
まず、その作りをみておきましょう。
▲基本的なセット内容。手前が中間リング。
▲レンズ部分は透明アクリルに支持棒が装着されています。
▲ミラーの汚れや傷は画質に直接影響します。レンズやセンサーと同様、無水アルコール+シルボン紙でクリーニングできます。>
▲右上から左下に・・ボディ+マスターレンズ+中間リング+パノラマミラー本体。これが基本的な使用方法です。
2.中間リングの役目
冒頭に述べたよう、マクロ撮影可能な標準ズームであれば、おそらく難なくさまざまな調整ができるように思うのですが、ここではちょっと要領悪く、単焦点レンズを使って中間リングの役目を調べておきます。
中間リングは、マスターレンズの焦点距離(画角)に合わせて、パノラマミラーが写る大きさを調整することが第一と理解します。(ピントはレンズ側で調整します。)
●中間リングが長すぎるケース
▲中間リングが長すぎると。
▲パノラマミラーが小さく写り、センサーの画素数を有効に使えません。
●中間リングが適切な長さのケース
▲中間リングが適切な長さだと。
▲画面にパノラマミラーが内接し、センサーの画素数を有効に使用できます。
●中間リングが短いケース
▲中間リングが短いと。
▲画面からパノラマミラーがはみ出し、水平360°パノラマの画面が不足します。
3.ピントを合わせる
現実問題からすると、マクロ撮影になりますから、ピント合わせそのもので「画角」もずいぶん変化してしまいます。これがイライラの原因にもなるのですが、基本的には中間リングで「画角」を変える、と理解し、ピントはレンズ側で調整します。
▲WIDE-70を、焦点距離35ミリのレンズで、APS-Cサイズカメラで使用する場合のピント位置は、約25センチです。
▲ニコン35ミリF2の最短撮影距離は、25センチですから、ぎりぎりセーフ!
●ピントが合わない時は?
レンズの最短撮影距離が長く、ピントが合わない時は、クローズアップレンズやマスターレンズ用の中間リングを使用します。
▲クローズアップレンズは、マスターレンズとパノラマミラーの中間リングの間に装着します。(マスターレンズと中間リングの間でも使えるかな?)
▲中間リングはマスターレンズとボディの間に装着します。マスターレンズは標準~広角になりますから、中間リングは薄手の物で十分です。
・・・・・今回はここまで。