シグマ8ミリF3.5を付けたカメラを縦位置にすると、天地180°、水平方向約120°が収まります。数字の上では、水平方向の4カットを撮影すれば、全景パノラマが撮影できるのですが、天頂と底にカメラの傾きなどの誤差分の「穴」ができます。
 なので通常は、カメラを少し上向きにして4カット、+底面1カットの5カットを撮影します。この方法に関してはこちらで紹介しました。また、これはポールを使った高所撮影にも適しています。

 そしてもう少し頭を柔軟にすると、水平4カットを、上下上下、上上下下、上下下下・・・などと上下に振りながら撮影することで全景撮影が可能であることがわかります。
 この場合、カメラをパノラマ雲台やポールに付けた状態で撮影すると、カメラを動かさないといけないので、とてもやっかい。なだけでなく、かなり本末転倒な方法、となります。カメラを固定するメリットが少なくなるだけでなく、三脚を消すには、追加の1カットが必要になりますから。

 というわけで、カメラを上下に振りながら水平4カットを撮影する方法は、手持ち(ハンドヘルド/Handheld、と言うようです)撮影に向いているというよりも、手持ち撮影のための方法と考えたほうがよいようです。

1.手持ちでノーダルポイントを出す

 手持ち撮影というだけであれば、ニコン10.5ミリで撮影した記事がこちら
 できる、ことだけはわかっています。また、シグマ8ミリは前後左右(全右後左)の水平4カットですから、60°ごとに動かさなければならないニコン10.5ミリよりも、撮影自体が直感的に分かりやすいです。
 というわけで、今回は、ノーダルポイントを少しでも正確に出すために、重りを付けた糸を使う方法を試してみました。
 レンズのノーダルポイントの位置に「ゴム」を巻き、糸を通し、その糸の先にボルトを重りにして垂らすのです。この重りを底面の印(地上の石や傷などの目印)に合わせて撮影します。これによって、カメラの位置と高さが決まりますから、ただの手持ちよりもはるかに精度よくノーダルポイントを出すことができます。

 シグマ8
▲レンズにゴムを巻き、糸を通して長さを調整できるようにして、糸の先に重りを付けます。

 シグマ8
▲糸をレンズ中心の下から垂らしていますから、よくよく見ると上下に振る度にノーダルポイントが「前後」に動いていることがわかります。 撮影後に気づきましたが、以下の撮影結果はこの方法で撮影しています。(対策は最後に)

2.撮影結果

 ノーダルポイントさえでていれば、カメラの上下の振りの角度に精度は必要ありません。天頂と底をカバーしさえすればよいです。水平方向の4カットも、画角が120°ありますから、だいたい90°ごとに撮影するので十分なのです。
(とはいえ、後で気づくこともあります。これも後ほど。)

シグマ8シグマ8シグマ8シグマ8
 上下上下に、だいたい10°くらい(目分量なので正確な数値は不明)で撮影しました。

3.合成もいたって簡単

 ノーダルポイントがだいたい出ていますから、そのまま合成し、不具合を修整していく方法で十分良い結果になるはずです。全てのカメラ位置が上下に向いていますから、一番最初の合成結果は、水平線が曲がったような仕上がりになることも多いはずです。この場合は、コントロールポイントの「垂直線(バーチャルライン)」を使えば簡単に対処できます。

シグマ8
▲PTGuiの操作は基本通りでok。

シグマ8
▲ビューポイント補正にチェックを入れます。

4.修整手続きを終えたらく完成!

 水平を出したり、国旗を上げる鉄柱のズレを直したりなど、いくかの修整を終えて完成しました。

シグマ8
▲画面中央少し右側の白いポール(国旗用)にズレがでていましたので、マスクで修整ました。実は、こういう縦に長い被写体を画面に収めるよう、このカットを上向きで撮影したら合成の手間を省けたのです。画面に収まる範囲と、被写体の天地の長さを合わせる工夫を撮影時にしておくと、後の処理がはかどります。

シグマ8+R1
▲この写真をクリックすると、パノラマを見られます。

5.ノーダルポイントを出す「糸」の付け方など

 上で試した方法は、カメラを縦位置にした時に、糸がレンズ下から垂らされる方法でした。が、これ、よくよく見ると、カメラを上下に振ることで、ノーダルポイントが前後に動きます。なのでこの方法は、カメラを水平方向に向けた時にだけ正確です。

 糸を付ける位置をずらしてみるとどうなるでしょう? それがこちら。

 シグマ8
▲糸の位置をずらし、カメラの上側に付けます。縦位置にした時に横から糸が垂れるようになります。

 シグマ8
▲これで前後のズレはなくなりました。がしかし、カメラを回転させると、レンズ半径分だけズレて動くことになります・・・・。


 
 あちらが立てばこちらが立たず。と、思ったら、これは簡単に解決しそう。
 これは、次回のお楽しみ、ということで・・。

 
追記---
 ザ・カイトワールドの小田川さんからのご連絡。
「キヤノンX2,シグマ8ミリF3.5で+15度、-15度、+15度、-15度の4枚でパノラマを撮影しています。
 私の友人が作ったiPhoneのアプリ「Pano Tool」は、三脚無しの手持ち撮影に便利です。
 手持ち撮影の場合は大事をとって+15度×1、-15度×2、+15度×1、-15度×2の6枚を撮影しています。」
(ここから久門)iPhoneをカメラに付けて、角度や位置を出すのですね。カメラのレリーズと連動すると超便利そう。
 iPhoneを持たない私は、当面、糸と重りで挑戦し続けましょう。

・・・・・今回はここまで。