PTGui9(現在は未だβ版)では、画面の一部を隠すことができる「マスク」機能がつきました。 ですから単純に、三脚を消すような底面処理や、動く被写体の処理などが、フォトショップを使わず、PTGuiだけでできてしまいます。
 というわけで、前回作成したパノラマ写真から床の三脚を消す作業を行ってみましょう。

 底面をパノラマ用語(?)では、nadier(ナディア(かな?)天文用語で天底;[比ゆ的に]どん底,最低点の意味)というようです。覚えておきましょう。

 三脚を消す底面処理の手続きは下記のようになります。PTGuiの「視点補正」機能も使って、床をキレイに仕上げる基本的なワークフローです。説明しなければならないことはたくさんありますが、とりあえず、全体の流れを覚えることが先決でしょう。

  1. 底面の追加撮影(三脚をズラして撮る)。
  2. オートで写真を揃える。(これは前回と同じ)
  3. 「視点補正」を行って調整。
  4. 「マスク」を使って、三脚を消す。
  5. 書き出し。(これも前回と同じ)

 いろいろ勉強しながらも、かなり手際よいワークフローになったのではないかと自画自賛しておます。いかがでしょう。

1.底面の撮影

 パノラマ写真のセットを撮影する際、一番最後に、底面を撮影します。
 この後で、カメラを三脚から取り外すか、三脚へのセット方法を変えて、三脚が写っていない(移動した)写真を撮影し、これらを合成すれば、底面処理の完成です。

 ここでは、ノーダルニンジャのアダプター(わりあい新製品)を使っていますが、手持ちでも同じ方法でいけると思います。(いずれ試してみましょう。)
 今回は、撮影を簡単にするために、ちょうど真下に赤いベースを置いてみたのですが、それでも画面中心はズレました。ピタリと合わせるのは、恐ろしく難しい・・・。

底面撮影
▲雲台を通して真下を撮影した後、カメラの向きを変えるなどして、三脚が移動した写真を撮影します。

底面撮影
▲三脚に付けてかなり厳密に撮影したつもりでも、ズレは目立ちます。手持ちで撮影したりすると、ズレはもっと大きくなります。


 
 例えば、これら2枚の写真をフォトショップ上で合成し、三脚が写っていない一枚の写真を作る、という方法もアリです。(初期の頃、私はそうしていました。)
 しかしこれ、なかなか上手くいきません。ノーダルポイントのズレとカメラの傾きを上手く補正する「変形(ワープ)」を手動で作るのは恐ろしく困難でした。

 この点、PTGuiはもともと、写真同士をつなぎ合わせることに特化したソフトですから、このような変形など、お茶の子さいさいだったりするわけです。使わない手はありません。

2.とりあえずオートで繋いでみる

 頭で考えていると厄介ですが、パノラマ撮影のセット8枚+追加底面1枚の合計9枚を全部PTGuiに読み込んで処理してしまいます。何も考えずに一気に、「Align Images」をクリック!

※ここでの底面撮影は、カメラを180度ひっくり返しますので、「7」と「8」の写真の天地が逆のままになっています。ところが、このまま読み込むだけで、PTGuiは、うまくつなぎ合わせてくれます。なーんにも考えなくてもよいのです。

Align Images
▲1セット+追加1枚の全9枚の写真を一気につなぎ合わせます。無茶苦茶なようですが、これで上手くいきます。


Panorama Edire
▲Panorama Edirer上で結果を確認します。三脚が消えたようで消えていない、変な合成結果になりました。

●●●●●「Panorama Edirer」を使って、詳しく見てみましょう!

Panorama Edire
▲Panorama Edirer左上の「edit indivisual image」ボタンを押すと、写真の番号のタブが出てきます。これらをクリックすることで、それぞれの写真の位置やズレを確認できます。

Panorama Edire
 この写真の場合は、「7」「8」タブを切り替えることで、底面の2枚のズレを確認できます。


  立体物の椅子などがズレていることと、床の模様にもズレがあることがわかります。
 椅子の形のズレはノーダルポイントのズレが原因ですから、厳密には補正しきれませんが、床面に関しては、視点の角度を調整する(大判カメラでいうアオリのような操作)を行うことで補正することができます。

 これが次のテーマで、「viewpoint」という機能を使います。

3.「viewpoint」で床面のズレを補正する

 この機能は、proバージョンにしか搭載されいてません。

Panorama Edire▲ダイヤログ右上にある「Advanced」ボタンをクリックすると、さまざまなタブが出てきて、いろいろな機能が使えるようになります。「viewpoint」機能は、「optimizer」タブの中にあります。

optimizer
▲「optimizer」タブについては、詳しい説明が必要ですが、ここではとりあえず追加した床面写真の「viewpoint」だけに注目します。

optimizer
▲追加した床面写真(ここでは「8」)の「viewpoint」にチェックを入れます。これだけ!

 「viewpoint」は、視点補正というような意味で、ノーダルポイントなどがズレた写真を上手い具合に形を補正してくれます。ただし、局所的な補正を行うということではなく、大判カメラのアオリのような変形によって、床面の形をもう一枚の床面の写真に揃えることができる、ということです。高望みはしない方がいいかもしれません。

 結果的に、平面の処理は上手くできますが、特に床面から離れた(浮いたり沈んだりしている)立体物の補正はできません。

 ところがよくしたもので、画面の端の立体物は他の写真に写っている部分を活かすことで上手い具合にまとまってしまうのです。

Panorama
▲チェックを確認したら、下の「Run optimize」ボタンをクリックします。これで、追加した床面写真だけに視点調整が行われます。

optimizer
▲「optimizer」(最適化)が機能して、写真の視点調整が行われた結果が表示されます。

●●●●●「Panorama Edirer」を使って、詳しく見てみましょう!

Panorama Edire
 前段階の仕上がりと比較してください。


立体物の位置も揃いましたが、形のズレは少し残っています。それよりも大事なのは、床面の模様です。ほぼ完全に一致していることがわかるでしょう。これが「viewpoint」(視点調整)の効果です。

※写真セットを全て読み込んだ後、8カット目の「view point」にチェックを入れてから、「align images」をすると、手間が省けます。仕上がりに少し差がありますが、だいたい同じレベルの仕上がりになるようです。理想は、もっと精度のよいつなぎ合わせをしたいです。微妙なところはおいおい攻めていきましょう。とりあえずは、まあまあのレベルでよし、ということで・・・。

4.「mask」で、三脚を消す!

 PTGui9の新機能です。

mask
▲ 「mask」タブをクリック。

mask
▲フォトショップや写真切り抜きソフトなどで使えるマスク機能と同じです。


「赤」で消し、「緑」は強引に出す、それ以外は「透明(とういかそのまま)」にします。
 「7」と「8」の2枚の写真についてそれぞれマスクを描きます。緑のマスク(?)も非常に使いでがあります。
 三脚だけでなく、白い椅子の部分もズレが目立つので、マスクで消しました。

●●●●●「Panorama Edirer」を使いながらマスクを作ります!

mask
▲「mask」を使った結果は、そのまま「panorama editer」に反映されますので、とても簡単に三脚の加工ができます。

6-5.「create panorama」で、完成!

 「create panorama」タブの中の、「create panorama」ボタンを押したら、後は待つだけで、パノラマ画像ができます。

mask
▲とりあえず初期設定のまま、「create panorama」ボタンをクリック!

 そうしたら、グルグル回るフラッシュなどに書き出すだけ。



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・・・・・今回はここまで。