一眼レフ用の魚眼レンズは高い! 
 もっと安価に手軽に360°パノラマを作る方法はないか? 

 とはいえ、使うソフトはPTGui+Pano2VRだったりするのですが、たとえばHuginなどのフリーソフトを使えば、もっと安上がりにできるはずです。

 使用するカメラは、何世代か前のニコンcoolpix s510。
 欲をいえば、マニュアルフォーカス、マニュアル露出ができるコンパクトカメラであれば、もっといい仕上がりになるはずです。が、とにかく今回は安価・手軽をモットーにします。
 ちゃんとした仕上がりを求めるなら、最初から一眼レフにすればよいだけのことですから、こういう企画はなかなかバランスが難しいですね。

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▲魚眼アダプターはイザワオプト「IDF-1」。
カメラはニコンのクールピクスs510です。


 

1.イザワオプト「IDF-1」を使う

 イザワオプトのサイトはこちら
 今回使ったアダプターは「IDF-1」。コンパクトデジカメに装着することで、画角180°の魚眼レンズになるアダプターです。イザワオプトの説明によると、カメラレンズ前面にネジ付きのアダプターを装着してセットできるそうですが、総じてコンパクトデジカメのレンズの構造が意外なほど弱く、破損の恐れがあるため、基本的にはオススメしないとのこと。なので、写真のように二本の指で軽く押さえつけるようにして撮影します。

 指先で固定して撮影すると、指の力の入れ具合一つでレンズが傾き、光軸がずれ、画面に写る画像の位置が動きます。なので、それなりの慣れが必要でした。

 こうしたワケで、パノラマ撮影には「一脚」の使用がオススメ。かなり慣れてきたら、手持ちでもOKかと思いますが、レンズの押さえつけ具合や、ピント合わせなど、かなりいろいろ気をつかわなければなりません。

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▲指先ではさむようにして装着します。1枚撮影ならかなり手軽で簡単ですが、パノラマ撮影のように厳密さを求めようとすると、かなり大変です。

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▲レンズの中心を出すこと、ボディ側のレンズが傾かないようにするのがコツです。慣れるしかありません。

●ノーダルポイントはどうする?
 厳密にやればできなくもないでしょうが、この際テキトーに。遠景なら少々動いてもなんとかなるものです。アダプターを装着しても、「絞り」の位置は変わらないはずですから、ノーダルポイントの位置も同じ「絞り」の位置と考えてよいと思います。

●撮影結果
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▲水平4+底面1。撮影しやすいのでカメラを横位置にしています。画質を優先するなら、縦位置で撮影し、天地180°を画面に収めたほうがよい結果になるはずです。

2.PTGuiで合成する

 いやいや。これは大変だったりしますよ。ノーダルポイントやレンズの芯がズレている。解像度がいま一つよくない。アダプターレンズを使った時のPTGuiの設定がよくわからない・・・。
 などなどが原因と思うのですが、最初の内は全く思ったように合成できませんでした。

 しかし要は、PTGuiの使い方。ポイントさえわかってしまえば、かなりよい仕上がりになります。PTGuiのいい勉強になりました。ポイントは次の通り。

  1. 水平方向の画像だけを読み込んで合成してから、底面を加える。
  2. 「レンズセッティング」の設定。
  3. 「クロップ」の使い方。
  4. 「マスク」の使い方。

 他は、通常操作と同じ方法でOKです。

1.水平方向の画像だけを読み込んで合成してから、底面を加える。
 コントロールポイントさえ上手く自動で生成されれば問題ないのかもしれませんが、底面を加えて「Align Images」を行った場合、上手くいきませんでした。水平方向の画像だけで始めたほうが確実なようです。

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▲水平画像を合成した後に底面を加えます。

2.「レンズセッティング」の設定。
 アドバンスドモードにして、「レンズセッティング」タブの中、上部右側にある「EXIF」ボタンをクリック。ここには、既に使用カメラの機種やズーム設定された焦点距離が読み取られています。この画面の一番下に、「ワイドアングル&テレ コンバーター」の倍率を入力する項目があります。IDF-1は、0.25倍ですから、この数値を入れ、OKボタンを押します。
 そうすると、レンズタイプが「円周魚眼」に、各種の数値も適切なものに自動的に変わります。便利~。

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▲魚眼アダプターIDF-1の倍率「0.25」を入力。

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▲レンズタイプが自動的に変更されます。

3.「クロップ」の使い方。
 ここまで設定して「クロップ」タブを開くと、円形画面にだいたい沿った形の円が示され、そこの部分だけが使用されることを示しています。ズレがあるのは、倍率の誤差か、画面のケラレなのでしょう、多分。
 ここで、切り抜きの円を画面に合わせるのですが、位置の調整だけを行い、円のサイズを変更しないのがコツです。
 円のサイズを変更すると、画面倍率が変わってしまい、合成が上手くいきません。

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▲クロップは「位置」の補正のみ行います。円のサイズを変更しないように。

4.「マスク」の使い方。
 画面周辺の画質はよくありませんから、この部分を使いたくない、といった場合は、「クロップ」ではなく、「マスク」で覆います。マスクは、「保存」と「読み込み」をすれば他の画像に適応できますので簡単です。

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▲マスクを使って周辺の黒い部分と、画質がよくない部分を隠します。

3.他は通常操作で合成します

 最悪のケースでは、まったく合成されません。撮影し直すのが一番かと思いますが、それでも頑張りたい時は、全ての画像にコントロールポイントを手動で作成して合成します。手間はかかりますが、なんとかなります。

 また、水平方向4カットの内、3カットだけ合成でき、1カットだけ不具合があるといった場合も、残りの1カットについてだけコントロールポイントを手動で作成します。

 不必要な部分をマスクで隠したり、垂直を出したり、不良コントロールポイントを削除したりなど、他の操作は基本通りでOK。ノーダルポイントは正確に出ていませんから、オプティマイズタブの「ビューポイント」にチェックを入れることも忘れずに。

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▲水平方向の合成ができたところ。これから不要な部分を隠したり、垂直を出したりしてから、底面写真を追加します。

 水平のカットがキレイに合成できたら、底面の写真を追加し、手動でコントロールポイントを作成して追加合成したら完成です。

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▲底面がなんとなく合成できました。天頂が欠けているのは、カメラの画角に収まっていなかったため。大きいようですが、「穴」みたいなものです。
右下の空白は自分の足元が写った部分です。いずれもフォトショップで補いました。

●完成です!
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▲最終的に明るさも調整して完成。この写真をクリックすると、パノラマムービーが開きます。つながりが悪い部分もありますが、十分な仕上がりです。

 画質を向上させる方法は次の通り。今後の課題です。

  • カメラと魚眼アダプターを固定する。
  • ノーダルポイントを出す。
  • 画面周辺をどこまで利用するか、撮影カット数と共に調整する。
  • マニュアル露出・マニュアルフォーカスが可能なカメラを使用。
  • RAW撮影をして、色収差を補正する。

 
・・・・・今回はここまで。