カメラ任せで撮影したり、メニュー内の細かな設定によっては、パノラマ合成がキレイに仕上がらないことがあります。
 私自身の失敗から気づいたことを含め、撮影時のカメラの設定のポイントを整理しておきます。

1.ピントはどこに合わせるか?

 パノラマ撮影は、基本的にマニュアルフォーカス。
 理由の第一は、パンフォーカスで撮りたいから。それと、ピント位置の変化によって撮影倍率が変わると、パノラマ合成に支障がでる可能性があるから。
 他にも方法はいろいろあるかと思いますが・・・。

ポイント1.無限遠が画面に多く写る場合は、「過焦点距離」に合わせる。

 過焦点距離とは、被写界深度の遠い側が無限遠になる撮影距離のこと。つまり、過焦点距離にピントを合わせることで、無限遠からもっとも近い位置まで、被写界深度を最大限に活かした撮影ができます。

 camera
無限遠にピントを合わせると、被写界深度を有効に使えません。

 camera
F値を8で撮影する時は、「8」に無限遠を合わせます。表示のないレンズでは、過焦点距離を計算して合わせます。

ポイント2.狭い場所を撮る時も、被写界深度を有効に使う。

 絞りを絞って撮影すればピントが合うのは当然ですが、極端に絞ると「回折」現象によって、画質が低下します。これは、実際に自分でテストした方がよいと思いますが、ほどほどの絞りで、被写界深度を有効に使うのが基本となります。

 camera
 F値を16にした場合、手前25センチから、1メートルくらいまでピントが合います。F値を22まで絞れば、20センチから無限遠までピントが合います。

2.露出は何を基準に合わせるか?

 360°を写しますから、光源と暗い部分が必ず写ります。だから、露出の設定はとても難しいというか、何かを犠牲にするしかない、と割り切ったほうが速いでしょう。
 ですから基本は、マニュアルで、光源と暗い部分がほどほどに出る(どちらかというとハイライト部の白トビが少ない露出アンダー側で撮影しておく)のが基本です。
 屋外での撮影では、何カットも撮るうちに雲が動いたり、天気が変わったりすることもあります。実に悩ましいところです。

 camera
 露出はマニュアルで。光源や暗い部分の描写がほとほどになるように設定します。太陽が入ったり、直射日光が当たる部分では、「無理」なこともあります。

 camera
 シャッタースピードと絞りの組み合わせを適切にするには、ISO感度の調整も不可欠です。

3.ホワイトバランスの設定は?

 撮影カット毎に色が変わると、仕上がった写真の部分で色が変わることになります。
 ですが、特に室内撮影では、各種の室内照明に窓から入る外光などもミックスされて、何がなにやら・・・。普通の写真なら、AWB(オートホワイトバランス)でほどほどになることも多いシーンでも、パノラマ撮影では、マニュアルで合わせておくのが基本です。

 camera
 ホワイトバランスの設定も、マニュアルで。室内では、優先する部分の光源に合わせます。

 camera
 ピクチャーコントロールなどで、色再現の効果を設定することも大切です。RAW撮影の場合はホワイトバランスもこちらも設定不要です。

4.画素数は? RAWは?

 仕上がりの画素数がどのくらいか? 撮影のワークフローはどうするか? から考えるべきでしょう。
 十分に慣れるまでは、JPEGのSモードで撮影し、画素数を抑えて作業スピードを上げ、数をこなすのがよい、と私は考えています。もちろん、今でもほとんどそうしています。
 それでも、数多くのカットを合成することになりますから、画素数はいやでも多くなります。JPEG、Sモードで撮影し、合成後のエクイレクタングラーの画素数が5000×2500以上あれば、フル画面でも十分鑑賞に耐える画質になると思います。

 camera
 JPEG撮影で慣れる、のがオススメ。

 camera
 少ない画素数でも、合成しますから、十分な画質になります。スピーディに作業をして、いろいろ実験するのがよいと思います。

 というわけで、RAW撮影は、撮影時にカメラの設定に時間がとれない時、十分過ぎる高画質を得たい時、処理に十分な時間が避ける時用と考えています。

5.メニュー内の設定の注意。

●縦位置情報は記録しない。
 PTGuiでの合成が上手くいかなかった原因の一つに、カメラ内で「縦位置情報を記録」していたことがありました。これで、底面の写真と他の写真の縦横が揃わず、合成結果がとんちんかんになってしまうのです。この場合は、フォトショップなどで、写真の縦横を揃えることで解決しますが、それだけでもかなりの手間。
 そんなことなら、最初から縦位置情報を記録しない方がよいというわけです。

 camera
 縦位置情報を記録していると、PTGuiで、底面画像の合成が上手くいかないことが多いです。

●階調補正機能を使う。
 最近のカメラの多くには、「ライティングオプティマイザ(キャノン)」や「アクティブD-ライティング(ニコン)」など、弱いHDRI効果を擬似的にえられる機能が搭載されています。極端なHDRI撮影を行うのでなければ、この機能を使うので十分な効果がえられます。

 camera
 階調補正機能を使うと、光源や暗い部分の描写がよくなり、白トビや黒ツブレが少なくなります。

●カラーモードはsRGB。
 
 360°パノラマは、インターネット経由でモニタで鑑賞しますから、一般的なモニタのカラースペースであるsRGBに設定するのが基本です。

 camera
 sRGBに設定します。

・・・・・今回はここまで。