では早速、MADOKA180でVRパノラマを撮ってみす。

 まずは、難易度の高い4カット撮影から。MADOKA180は、APS-Cサイズのセンサーで円周魚眼になります。直径方向に180度が写りますから、上30度を向けて、水平120度ずつで3カット。さらに下向きに1カットの4カットで、全方位を写せます。

 三脚消しをする場合は、底写真を三脚なしで撮影するか、追加で三脚なしカットを撮影します。が、ここでは割愛。



1.定石通りでは目茶苦茶?

 MADOKA180は、電子接点を持たないレンズですので、NEXに装着して撮影する場合は「レンズなし」の設定になります。このためもちろん、画像データにEXIFは付きません。

 このためPTGuiに4カットを読み込ませると、「Camera/lense data(EXIF)」を入力するウインドウが現れます。通常通り、レンズタイプはフィッシュアイに、焦点距離はだいたい5ミリ、クロップファクターはAPS-Cサイズなので1.5倍を入力し、「OK」ボタンでウインドウを消したら、メインウインドウの「Alinge Images」をクリック!



▲レンズの設定を手動で行います。焦点距離はだいたいの数字でよいのです。コントロールポイントを打つための参照値となるだけですから。



▲あれれれれ? MADOKA180の水平4カット撮影ではこれでうまく行くケースもあるのですけれど・・・。無茶苦茶なつながり方になりました。

2.一つ一つ手作業で進めます

 こんなの初めて! というくらいの目茶苦茶ぶりです。どうしよう?
 で、以下に私なりの解法を紹介しますが、もっといいやり方があるかもしれません。ご参考までに。

 まず、先のように目茶苦茶になっている状態だと、いろいろな設定が既に行われていますから話がややこしくなりますので、とりあえず最初からやり直します。



▲レンズの設定は、何も入力せず「キャンセル」をクリックして先に進みます。



▲パノラマエディターの表示を見ながら進めますので、最初から開いておきます。現時点の表示はこんな感じ。全ての画像が中央に配置されているだけ。

●ポイント1/クロップの設定

 実は、レンズ設定タブでいろいろ試してみたのですが、こちらでは解決が難しそう。なので、ちょっとイレギュラーな方法ですが、クロップタブで、円形画像の切り出しの設定をします。

 この時、クロップの具合は、パノラマエディターにリアルタイムに反映されますから、被写体の形がほどよい感じにするのがコツです。



▲円形の黒フチが少し残るくらいまで「クロップ」の破線を小さくしていきます。


 


▲なんとなく、な感じでよいです。後で何度でも微調整できます。

●ポイント2/イメージパラメータの設定
 次にイメージパラメータータブを開き、「Yaw/Pitch/Roll」の値を入力します。
 3カットは、上(Pitch)が30度、水平(Yaw)に120度ずつ、下は(Pitchが-90)です。Rollは縦位置情報のせいか、はじめから自動入力されています。



▲「Yaw/Pitch/Roll」の値を手動で入力します。数値で画像をだいたい位置決めしてしまうわけです。


 


▲あらま、ほとんどできてしまいました。しかしもちろん、画像同士のつながりは悪いです。

 この時点であまりにもつながりが悪い場合は、クロップの設定を微調整するとよいです。これだけで、なんとなく全体の配置だけは調整できます。

 しかし、この方法では決して完全にはつながりません。理由は、カメラの角度の設定のズレもありますが、それ以上に、レンズの収差(フィッシュアイレンズの歪み)の補正がまったくできていないことが大きな理由です。

 なので、「Yaw/Pitch/Roll」をいくら調整しても、あるいはパノラマエディターで画像の位置を調整しても、ステッチ精度は向上しません。

3.コントロールポイントを使って精度を上げます

 ここまでの手順で大まかに画像の配置が決まりました。この時点で、自動でコントロールポイントを生成し、オプティマイズ~コントロールポイントの追加と削除、を行い、ステッチ精度を上げていきます。

 「Align Images」を使うと、今までの苦労が水の泡になって、初期状態から再スタートし、目茶苦茶な仕上がりになってしいますので注意します。



▲メニューの「コントロールポイント」から、「Generate Control Points」をクリック。



▲コントロールポイントタブで、コントロールポイントができていることを確認します。



▲「オプティマイズ」タブで、「Heavy + lense shift」にチェックが入っていることを確認して、「Run Optimize」ボタンをクリック。



▲平均、1.1533・・・・と良すぎる数値になりました。が、これは都合のよいコントロールポイントだけができたためです。仕上がりはまだまだよくありません。



▲つながり具合は、少しだけ改善しましたが、決して良いレベルではありません。



▲拡大してみると、繋がらない原因がレンズの収差による歪みであるだろうことがなんとなくわかります。

4.コントロールポイントを追加し、さらに精度を上げます

 ここまで来たら先は見えました。 

 後はコントロールポイントの追加と削除とオプティマイズを繰り返し、精度をどんどん上げていきます。



▲コントロールポイントタブで、シフトキーを使って範囲を指定し、右クリックメニューから自動でコントロールポイントを生成します。



▲まったくコントロールポイントができていないカップルもありました。道理で数値だけはよいはずです。



▲平均、3.26・・・・と数値自体は悪くなっていますが、パノラマエディターを見ると、ステッチ精度は向上しています。



▲数値が悪いコントロールポイントを削除します。



▲平均、1.83・・・・とずいぶん改善しました。ステッチ精度はさらに向上し、十分によい結果になりました。



▲かなりよい結果になりました。

5.マスクと画像の位置などを調整して完成

 ここまできたら後は簡単。いつも通りの調整作業を行って完成です。



▲十分すぎるよい結果になりました。クリックするとパノラマが見られます。

6.作業のTIPS

 上の手続きの最後の方、コントロールポイントの追加と削除を繰り返す時に、次のようなアラートが表示されることがあります。


▲「Yes」をクリックするとオプティマイズを初期化してから行うようです。

 不思議なことに、少し悪いコントロールポイントを1個だけ削除するだけでも、このアラートが表示されたりします。どういうことでしょう?

 理由は今のところさっぱりわかりません。が、ここでは「Yes」ではなく、「No」を選び、アンドゥで元に戻して、少し悪いコントロールポイントは残す、という方針がよい結果になるようです。

 よくはわかっていません。ご存じの方、どなたかお教えください~。

 さてさて、ここまでの作業を見直すと、通常のレンズに比較して大変に面倒であることがわかります。これを繰り返すの? と思うとやり切れませんが、現実には、一度このレベルの仕上がりができれば、プロジェクトをテンプレート化したり、レンズパラメーターを保存して使ったりなどすることで、相当簡単にこのレベルの仕上げに近づけることができます。

 こうしたノウハウは、後ほど。

・・・・・今回はここまで。