うきうき。
 やって来ましたよ。シグマ8ミリF3.5が。

 これは、フルサイズのセンサーをもつカメラで使用すると、画面の中央に円形の画像が写る「円周魚眼」レンズです。円周の直径方向に、カメラの前面180°が写ります。つまり、普通にカメラを構えると、頭のてっぺんから足元までぜーんぶ写ってしまいます。
 ちょっと注意が必要なのは、これは「超広角レンズ」ではなく、「魚眼レンズ」であるということ。広角レンズは、被写体の直線をできるだけ正しい直線に写すように設計されますが、魚眼レンズは画面中央を通過する(直径方向の)直線しか、直線には写りません。要するに、ほとんど曲がって写るレンズです。
 何に使うレンズでしょうね? ざっと思いつくまま。

  • 空を全部写す(雲の様子を記録するのに役立つ)。
  • 鼻デカの犬猫写真を撮る。
  • 狭~い部屋を広~く撮る(周辺が歪むので注意)。
  • 面白い効果の風景写真を撮る。

 ううむ。想像力不足ぎみ。と、残りの一つが、360°パノラマなのです。 
 さあさあ、はやる気持ちを押さえながら、シグマ8ミリF3.5を触ってみることにしましょう。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲左はレンズキャップとリング、右奥はケースで、手前はアセテートフィルターなどを自分でカットして使うためのガイド。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲APS-Cサイズカメラで撮影すると、短辺方向が切れてしまいます。左手でシャッター操作をしています。

1.シグマ8ミリF3.5を使う

 シグマ8ミリF3.5を使ってパノラマを撮影するためのポイントを整理してみましょう。

●APS-Cセンサーのカメラで使うと?
 このレンズは、フルサイズ(36×24ミリ)カメラで撮影した時に、180°の画角が円形に写ります。なのでAPS-C(23.4mm×16.7mm)で撮影すると、センサー画面に円形が収まり切らずはみ出てしまいます。
 でも実は、パノラマ撮影には、これで十分なのです。第一、画像を継ぎ接ぎしますし、いくら画質がよいレンズだとはいえ、180°ぎりぎりの円周付近は、やはり画質が低下します。なので、周辺はいらないよ、と割り切ってしまうのです。特に、水平方向は、天地に比べるとよりよい画質が求められますから、カメラを縦位置で使うパノラマ撮影には却って好都合、というわけです。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲通常使用状態です。レンズが飛び出ていて、この危うさが「美しさ」をさらに引き立てます。キレイなものは「怖い」のです。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲APS-Cセンサーのカメラで撮影すると、長辺方向(24ミリ)に、ちょうど円の端が接するように写ります。これが180°。短辺方向は円が切れてしまい、画角は120°くらいになるはずです。

●キャップをフードとして使える?
 微妙な問題です。このレンズのキャップは、リングとキャップが分離できる構造になっています。リングのみを装着すると、なんとなくフードっぽくなります。もちろん、画角は狭くなりますが、このあたりの周辺画像は使わない! と割り切ったら、不要な光をカットして画質をさらに向上させることができるかもしれません。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲キャップのリングを装着したところ。レンズ先端が隠れる程度の深さなので、レンズ保護にも役立ちます。安心安心。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲画面が一回り小さくなりました。画角は何度くらいになるのですかね? 5°程度は減っているような気がします。

●フィルターが付くけど・・・。
 パノラマ撮影にはあまり使わないですかね。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲付属のガイドでアセテートフィルターやゼラチンフィルターをカットすれば、ジャストサイズに収まるようです。

2.ノーダルポイントを調べる

 実際に調べてみたら、下のようになりました。赤色の帯は、レーザーの光で、この線のあるレンズ中心部がノーダルポイントになります。

 おおまかに、金色の線よりも少しだけ前(被写体)側、と覚えておき、微調整に進むとやりやすいでしょう。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲ノーダルニンジャにセットして調べてみました。赤線で示された平面のレンズ中心がノーダルポイントになります。

シグマ 8ミリ 魚眼
▲金色の線よりも、2ミリくらい前、を目安にセットし、実際に撮影しながら微調整します。

4.過焦点距離を知る

 シグマ8ミリF3.5の、最短撮影距離は約13.5センチ。絞りを絞ることで、もう少し近くまでピントを合わせられます。
 こういう近接パノラマも試してみたいものですが、パノラマ撮影は通常、ぎりぎり無限遠までピントを合わせることが多いはずです。
 なので、ピントリングを回転させながら、絞り値ごとに、無限遠までピントを合わせた時に、最短でピントが合う距離を調べておきます。

●F22
シグマ 8ミリ 魚眼
▲なんと、無限遠から約14センチまでピントが合います。

●F16
シグマ 8ミリ 魚眼
▲無限遠から約16センチまでピントが合います。

●F11
シグマ 8ミリ 魚眼
▲無限遠から約18ンチまでピントが合います。

●F5.6
シグマ 8ミリ 魚眼
▲無限遠から約28ンチまでピントが合います。

 こうしてみると、特に近接撮影となるケース以外では、むやみに絞りを絞る必要はなさそうです。
 F5.6~8で、撮影したいメインの被写体の距離を中心にする、のでよいでしょう。きっと。

・・・・・今回はここまで。